害 虫

「葉が変形しています」
アブラムシ
 サクラに寄生するアブラムシの被害は、葉が変形する症状で表れます。例えば葉がタテに内側に巻き込む、葉にはじめは黄白色で次第に赤くなってくる細長いとさか状のコブを作るなどです。葉の内側から汁を吸って害を与えるだけでなく、葉が変形するため美観も損なわれます。
 変形した葉の中に生存しているため、葉の中まで薬の成分が入っていく「オルトラン」「モスピラン」「アンチオ」などの浸透移行性の薬剤が効果 的です。
アブラムシはいつまでもコブの中にいるわけではないので、他の植物に移動する5月中旬ごろまでに防除する必要があります。
 
モモアカアブラムシ

ワタアブラムシ

「葉がカスリ状になっています」
ケムシ類
 ケムシ類は多くの種類が寄生して葉を食い荒らします。最も被害が大きいのがアメリカシロヒトリで、6−7月と8−9月の2回発生し、ふ化直後は群棲して葉の表皮と葉脈を残して食害するため被害は白くカスリ状になり、遠くからでも目立ちます。さらに成長すると被害も増え、葉が食べ尽くされて丸坊主になることもあります。
 アメリカシロヒトリとよく似ているのが、モンクロシャチホコで8−10月ごろ年1回発生します。アメリカシロヒトリは30ミリ前後ですが、これは50ミリ程度まで大きくなります。
 この他にもオビカレハ、ドクガ類、ケンモン類なども寄生します。
 防除は先手必勝です。大きくなった虫は薬を散布してもなかなか退治できません。卵からのふ化直後は被害量 も少なく、薬等もよく効くので、この時期を逃さないでください。群棲しているときは、枝を切り取って捕殺します。「スミチオン」「アクテリック」「ディプテレックス」などの薬剤が有効です。
 
チャドクガ

アメリカシロヒトリ幼虫

「葉が食べられています」
コガネムシ
 葉を食い荒らすのはケムシ類だけではありません。ドウガネブイブイ、マメコガネなどのコガネムシ類も葉を食べ、大発生すると樹が丸坊主にされてしまうこともあります。昼間は隠れていますが、樹をゆするとコガネムシは落ちてきて、しばらくすると飛んでいきます。
 土を耕したり掘り起こしたりするとよく出てくる、U字型になっている体表が白く頭部が黒いイモムシ状のムシがコガネムシの幼虫です。幼虫は土の中で植物の根を食害します。
 対処法は落下したコガネムシを捕殺するか、「スミチオン」「オルトラン」などの薬剤を定期的に散布して退治します。幼虫も見つけ次第捕殺し、発生量 が多い時は「ダイアジノン」を土の中に混ぜ込みます。
 
マメコガネ成虫

ドウガネブイブイ幼虫

「葉などに小さい虫がおり、生育がよくありません」
カイガラムシ
 枝や幹に寄生して汁を吸うので、生育が悪くなり美観も損なわれます。5−8ミリ前後の大型で白色半球形のツノロウムシ、平べったく円形のマルカイガラムシ類、白い綿状ロウ物質で覆われているコナカイガラムシなどがあります。
 成虫を退治するのは大変です。でも幼虫は薬剤に弱いので、幼虫のうちに5−7月に薬剤で退治するのがいいでしょう、「アクテリック」「スミチオン」「オルトラン」などの薬剤を月2−3回連続して散布すると、8月ごろには姿を見せなくなります。落葉している冬期には、越冬している成虫を「マシン油乳剤」や「石灰硫黄合剤」で退治します。

ツノロウムシ

ルビロウムシ

ヤノネカイガラムシ

クワコナカイガラムシ

クワシロカイガラムシ

「幹に孔があき、木屑がこぼれ出ています」
カミキリムシ

 幼虫が幹や枝の中を食害します。侵入孔から出てくる糞が、ノコギリ状の木屑に似ていたら、カミキリムシが寄生している証拠です。
 対処法は、糞を取り除き、侵入孔に針金などを入れて幼虫をつついて退治します。また「スミチオン」などの濃い液を薄めずに脱脂綿に含ませて、孔の中に侵入させます。殺虫剤を散布するときは、必ず幹にもかけるようにして発生を抑えるようにしましょう。

 
ルリカミキリ幼虫

「幹が膨れヤニが出ています」
コスカシバ

 カミキリムシ以外にも、コスカシバなどの蝶の幼虫も食害します。コスカシバの場合は幹から飴状の樹液が出てきます。樹勢は衰え、強風時には折れやすくなってしまいます。産卵防止をねらって、初夏から秋にかけて樹幹に2、3回、「スミチオン」などの乳剤を散布します。

 
幼虫
 
成虫
(参考文献・さくらの管理 弘前市商工部公園緑地課など)