サクラワークショップ活動日誌
N0.8

再会に感激!佐野藤右衛門氏講演会
平成15年6月28日
 国内だけでなく世界的にも桜の権威として知られる佐野藤右衛門氏の講演会が、富山県造園業組合連合会創立30周年記念行事として富山市で開かれました。
 佐野氏は、黒部まちづくり協議会の顧問としてサクラワークショップにアドバイスをいただいてているだけでなく、平成10年には黒部にお招きし、講演いただいたり、翌年には、サクラWSメンバーが佐藤氏を訪ねて京都に出向いたこともあります。
 講演会終了後には佐藤氏と感激の再会を果たし、黒部での講演も約束していただきました。
独特の「佐野節」で講演をする我らが師匠。若々しく、エネルギーがみなぎっている姿は、いつ見ても変わりません。

  十六代目佐野藤右衛門氏とサクラワークショップ
 
木島 律子

 桜が好きで好きでたまらないという桜狂いが集まったさくらワークショップのメンバー。桜守の佐野藤右衛門氏が来県とあればなにをさておいても駆けつけねばならぬ。
 6月28日、富山市で行われた富山県造園業組合連合会創立30周年の記念講演会に仲間入りさせていただき、メンバー一同佐野氏の真ん前、あごの下でお話を聞くという幸運に恵まれた。
 講演に先立ち、さくらシンポジウムとして松川べりから城址公園内の桜の木の下を佐野氏と散策。木の状態、土の具合の説明、根張りによる石垣の問題などを詳しく聞いた。
 戦後の復興を願って植えられた松川の桜は樹齢約50年、寿命の短いソメイヨシノとしてはそろそろ盛りを過ぎる時期に入っているが、富山市が10年前から手当てをしているおかげでいい状態を保っていること。どこの桜名所も悩まされているテング巣病がまったく出ていないのは、とても自慢できることだった。
 フェロモン剤の使用によるアメリカシロヒトリなどの害虫対策のおかげで、農薬はまったく使ってないことや、肥料とともに炭の粉を混ぜ込んでいることなど、たくさんおほめをいただいた。しかし、かなりのダメージをうけている木を人工的に手を加えて無理に生き長らえさせるのはいかがなものか、寿命を素直に受け入れるのも桜への思いやりではないかという佐野流の指摘もあった。 
 また、城址の石垣の歴史的価値、古人の知恵や手作業のあとなど、実際に石垣に触れながらの説明は、いにしえの人々へおもいを寄せるという思わぬ余禄もついて感慨深いものがあった。その大切な石垣を飾る桜が、こともあろうか張った根で石垣を崩そうとしているという。たしかに反り返る曲線を持つはずの石垣が外にふくらんでいた。石積みの隙間に空気の流通があるために桜の根は呼吸をしようと伸びて来るそうだ。美しくかざるための桜が崩落の加害者になりうるという皮肉な現象だが、行政には早急な対策をとって欲しいと願う。
 散策の後は富山第一ホテルにて"桜のいのち 庭のこころ"の演題で話を聞いた。 桜は手入れするのではなく、守をせよ。理屈ではなく理にかなったことをせよ、というお話。16代もの歴史を背負う庭造りの第一人者、世界に日本庭園を造ってきた大人物の話は面白くあっという間の1時間半であった。         
 佐野氏には、黒部まちづくり協議会でも5年前に講演していただいている。その縁でサクラワークショップが京都の自宅の庭を訪れ満開のさくらに酔いしれてくるなど、深いつながりを感じていたが、今回ご挨拶した際にも我々を覚えていてくださり、うれしかった。
 桜への思いがより深まった一日であった。

(写真左から2人目が佐野氏。右端は筆者の木島さん)