エッセイ私と桜
 

メーコン国際桜祭りでの文化交流

 
富山短期大学教授
武藤 憲夫

第九の指導だけでなく、コラーレ・キーボード・オーケストラの指導、ラジオのパーソナリティーなど、まさに八面六臂の活躍の武藤さん。メーコン桜祭りのシンボル、ピンクジャケットがよくお似合いです。

 日本有数の桜守である佐野藤右衛門さんが、「見事やなー、これは名所というより名勝やなー」とおっしゃった黒部の姉妹都市アメリカ・ジョージア州メーコン市の桜。毎年3月20日頃から一週間、全市をあげて「国際桜祭り」が行われている。私は5年前(1998年)と今年(2003年)の2回、参加する機会を得ることができた。
 今回は「黒部で第九を歌う会」39人の団員と共に訪れ、ベートーベンの「第九」の演奏を通して文化交流を図ることが目的であった。
 3月20日、黒部を出発。12時30分頃東京駅に着いたら、イラク戦争が始まったとの報道である。出発式で団長として挨拶をさせてもらったとき、空港閉鎖か飛行機が飛べない場合は中止せざるをえないが、そうでなければ実施すると申し合わせていたので、そのまま成田へ向かうことにした。成田に着いたときメーコンから連絡があり、空港は平常通りとの知らせであった。
 メーコンへ着いた翌日、地元合唱団とリハーサルを行い、次の日が本番であった。
 ベートーベンは第九を作るとき、このようなことを言っている。「自分を含めた世界の人々に必要なのは平和なのだ。音楽は、そのためだけにこそ存在するのだ」。そして、第九のテーマを「人類愛と平和と歓び」としている。
 さて、本番。平和を願う第九の精神を、メーコンと黒部の合唱団が心を一つにして声高く歌い上げることができた。満席となったオペラハウスの観客の拍手が鳴りやまない感動的なコンサートとなった。
 前回、コラーレ・キーボードオーケストラ24人のメンバーを伴って5回のコンサートを行ったが、ラストコンサートは3,000人を収容する市公会堂を埋めた観客から嵐のような拍手と、スタンディング・オべーションを受け、子どもたちにとって生涯の宝となる体験となった。司会者から演奏終了後、このような言葉をもらった。「音楽は国境を越えて人の心に伝わるものです。いい演奏をありがとう」
 私は、幸いにもメーコン国際桜祭りを通して二つの文化交流を体験することができた。これからも、メーコン市と黒部市が文化を通した交流が続くことを願っている。



黒部市とメーコン市の交流の様子はこちらへ。
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