「えっ!キノコが・・・」

 
(有)立花造園 立花武志(樹木医)
 

有限会社立花造園(石川県)代表立花さんは、樹木医として活躍しておられます。日本3大名園の一つ、金沢の兼六園の樹木治療などにもたずさわっておられます。

 黄褐色のキノコがいっぱい、かさなり合って生えている老木の桜。これはカワウソタケの子実体で、サルノコシカケの仲間だそうです。
 この子実体が材の中を腐らせています。このために木もだんだん弱りが目立ってきており、かわいそうでなりません。何とか元気な姿で、今後も綺麗な花を咲き誇らせて欲しいと祈っている私なのです。
 そんな私に、近年、強い味方が出来ました。樹木医仲間の小池先生が私の悩みを救ってくださったのです。
 それは生物農薬トリコデルマ菌の存在です。この菌を樹幹注入し、樹木の大敵である腐朽菌(生きている木の材の細胞を侵す菌。カワソウタケもこの一種)をやっつけるのです。
 トリコデルマ菌と腐朽菌は、拮杭関係にあり、互いに攻め合い、抑制しあい、最後には共倒れとなってお互いに消えてしまいます。腐朽菌の大繁殖を押さえる、自然界でのブレーキの働きをする役目の菌でもあります。
 このトリコデルマ菌は自然界のいたる所、畑、果樹園、野山等に生息し、環境にやさしく、どこにでもいる生物菌です。それを濃縮し、施工しやすいように純真培養し、農薬として認められるように製造された製剤もあります。菌の生育条件、温度、湿度、住家(エサ)があれば、腐朽菌を攻め続け、長期間の効果があります。
 この様に、キノコが出てきているという事は、ある程度、材を食べ尽くした後、次へ移動しようとしているところなのです。
 桜は腐れやすい木です。それでも桜を助け続けることが、私の使命だと思っています。