2002年3月15日

 

「桜吹雪舞う季節がやってきた」

俳優 黒部 進
 

初代ウルトラマンの黒部さん。今年はどちらへ花見に行かれるのでしょうか・・・。

  子供の頃は家の廻りに1本しか桜の木がなかった。憶えているのはその木の表面ににじり出た「ヤニ」を指に取り、姉達と「ヤニ」遊びをした事である。それから50年程たった今、桜の花の咲く頃になるとやたらと開花を待つ様になって来た。多分、年のせいなのだろうか。
 春になるとこれ程開花を待つ花は日本に無いだろう。私はどうも梅の開花には春は感じないのだが。何故、こんなに待ちこがれるのだろうか。間違いなく春を運んで来てくれるからだろうか。それとも、うたかたの花だからなのか。蕾の美しさに小女を感じ、ピンク色にと変わり、白くなり、そして散って行く。何か人間の一生に重ねて見る事が出来るからだろうか。
 人間も散り際が肝心。桜の花の様にと古人の言葉。桜は歌に、食に、住にと日本人の心を楽しませてくれる。そう言えば桜は日本の「國花」ですぞ。南から北へと1ヶ月程かけて走り咲くのも素敵なことである。何か日本の国全体に花の吹雪を舞い散しながら走り咲くのも詩的である。あわ良くば、南から北へと1ヶ月間程花見も出来る。
 私はこの時期になると花見に行こうと家族を誘うのだが、色良い返事が返ってこない。でも渋々ついて来る。でも桜の木の下でのどんちゃん騒は余り好きではない。本当は静かに愛でたいものである。でも、ついどんちゃん騒の輪に入ってしまっているのだ。国民的行事だから仕方がない。遠くからでも、又間近にでも桜の花は心をなごませてくれる。
 今年も又渋る家族を誘って行くつもりである。