2002年3月1日

 

「桜の花はタイムマシン」

新川コミュニティ放送ラジオ・ミュー 下澤弥生
 

ラジオミュー・パーソナリティーの下澤さん。名前の「弥生」の通 り、3月、桜の季節にはいろいろ思い出があります。

 3月に生まれた私は、月の異名を名前にもらっています。小学校の頃は「さくらさくら」を合唱すると、からかわれたものです。考えてみると、桜とともに思い出すことがたくさんあります。
 朝日町の城山に「ウコンザクラ」という淡黄色の花をつける珍しい桜が2本あります。小学校6年の春、某放送局が企画した”子ども一日放送記者”なる役割をいただき、テレビスタジオの照明を受けながらリポートしたのがこの桜のことでした。思えば、あの時の魅惑的な緊張感が忘れられずに現在の仕事をしているのかもしれません。
 時は流れて4年前。干支一回りを過ごした金沢から故郷・朝日町に戻り、現在の職場で最初に取材に訪れたのが朝日町の舟川べり。およそ270本のソメイヨシノが見事な花をつけている時でした。地元の有志が枝打ちや薬剤散布を丁寧に行い、”桜の名所”といわしめるまでに育て上げています。地域に対する強い愛着が伝わってきて、自分の生まれ育った場所を見直す気持ちが芽生えました。
 私にとって、桜は”タイムマシンの花”というイメージです。年度変わりという節目に花をつけるからとか、散り際の美しさが日本人の心根に通じて好まれるからとか、理由は色々あると思いますが、数ある花の中でこれほどその時々の”場所”へ連れていってくれる花はないのではないでしょうか。
 今年の桜の蕾がほんの少し膨らむ頃、退職し、また故郷を離れることになりました。この4年間に、想像をはるかに上回る人とのつながりや想い出ができました。サクラワークショップの皆さんが植樹を進めている木々が一杯につけた花を見上げる時、現在私がある場所に連れてきてくれるのだと思います。